ポートフォリオを計画するにあたり、まず通貨分散を行い、おもにドル建て資産と円建て資産に分けて運用を行います。
通貨分散の運用のイメージは、コチラ ➡ 通貨分散のメリット
でもドル建て資産、円建て資産って具体的にはどんなもの?どんな特徴あるの?
財政破綻や老後の生活の備えに外国資産か日本資産か、外貨建てか円建てか、大きく影響します。
日本の国債暴落や財政破綻は、日本円の危機ですから、日本円あるいは日本の資産以外へ分散することが対策になります。
老後まで長期にわたって運用するものですから、通貨と資産の特徴をよく理解しておきたいものです。
ここでドル建て資産と円建て資産の定義を明確にして、特徴をみておきましょう。
同じ資産に投資するのにも、円建てとドル建ての違いがあります。具体的にみてみると、違いが分かりやすくなります。
先に紹介した日本の財政危機とその対策については、こちら ➡ なぜ米国市場・ETF・海外口座なの?
ドル建てと円建ての違い
このサイトでいう円建て・ドル建て は取引通貨を指しています。
・ドル建て資産・・・ドルで売買する資産
(一度ドルに両替したら円に戻さずドルで売買する)
・円建て資産・・・円で売買する資産
ただし取引通貨は円建てでも、外国の株や債券を組入れている投資信託やETFがたくさんあります。
これらを分かりやすくするために、もとの資産の所在をくわえて4つの種類に分けました。
①ドル建て外国資産
ドルで取引する、外国の株や債券、それらを対象のETF、投資信託など
②ドル建て日本資産 (使わない)
ドルで取引する、日本の株や債券を対象のETF、投資信託など
③円建て外国資産
円で取引する、外国の株や債券を対象のETF、投資信託など
④円建て日本資産
円で取引する、日本の株や債券、それらを対象のETF、投資信託など
このうち②ドル建て日本資産はメリットがなく、ほとんど使いません。
これは米国市場のドル建てで、日経平均のETFを買うようなものです。もとの資産が円貨であるのに、ドル転するメリットがありません。
①ドル建て外国資産と④円建て日本資産の2つの組合せで、海外分散投資はできます。
もう一つの、③円建て外国資産の扱いについて考えてみます。
運用については、ドル建て資産の運用例や円建て資産の運用例を参考にして下さい。
円建て外国資産の特徴
円建て外国資産は、投資対象は外国資産ですが、それに為替レートが付加され、円建て価格で売買されます。
したがって外国資産の価格と為替レートを切り離せません。
例えば、投資対象が米国株式の円建て投資信託があります。
米国株式の資産価格が一口100ドル、その時の為替が100円/ドルで、円建てで一口10,000円で取引されるとします。
米国株式の上昇で資産価格が一口120ドルとなったとします。
しかし、同時に為替は80円/ドルに円高が進んでしまった場合、円建てでは一口9,600円となり値下がりしたことになります。
円高が資産価格上昇を打ち消したことになります。
これでは資産価格が上がり、かつ為替が円安になったときしか売買益(キャピタルゲイン)を得ることができなくなります。
通貨を分散する目的の一つに、資産価格と為替レートを切り離すことがあげられます。資産を売買するタイミングと、通貨両替のタイミングを分けることができるからです。
ただし、円建て外国資産(投資信託やETF)にもメリットがあります。
円建て外国資産のメリット・デメリット
メリット
・少額でも外国資産に投資できる
・積立投資(投資信託)で外国資産に投資できる
・日本の財政破綻の備えになる
デメリット
・資産価格と為替レートを切り離して売買できない
これらを理解して、円建て外国資産を使うと役立ちます。
円建て外国資産の投資信託のおすすめ情報は、コチラ ➡ 海外分散投資に使える低コストのインデックス投資信託の銘柄を選ぶ方法
インターネットで投資信託の銘柄を調べる方法は、コチラ ➡ モーニングスターのサイトを使って円建て投資信託の銘柄を調べる方法
ドル建て外国資産の特徴
外国資産に外貨建て、なかでも基軸通貨であるドル建てで投資するのがもっともオーソドックスな海外投資でしょう。
ただし、投資資金はもともと日本円なので、為替レートを通して一度はドル転する必要が生じます。
ドル転してしまうと、為替レートの変動を気にすることなく、ドルベースで売買を繰り返し資産を増やすことができます。
もちろん運用を終わらせた場合は、最後に円転する必要が出てくるので、その時の為替レートはポイントになります。
そもそも円資産への集中がリスク高なので、資産をドル建てに振り替えること自体がリスク分散になります。ただし、一度にまとめてドル転せず、時間も分散させるのが望ましいでしょう。
ドル建て外国資産のメリット・デメリット
メリット
・資産価格と為替レートを切り離して売買できる
・世界最大の米国市場で投資できる
・日本の財政破綻の備えになる、日本の金融機関(証券会社)を使わないこともできる
・為替変動をヘッジする方法もある
デメリット
・少額では投資の勝手がわるい
これらを理解して、ドル建て外国資産を使うと役立ちます。ある程度資金が大きくなると、海外口座で、ドル建て投資の有効性が高くなります。
初めての投資から海外投資までの流れについては、コチラ ➡ 資産を増やすフローチャート
ほかにもドル建て外国資産への具体的な投資情報もご紹介します。
ドル建てETFのおすすめ銘柄情報は、コチラ ➡ 海外分散投資に使える低コストの米国市場のドル建てETFの銘柄を選ぶ方法
インターネットで米国市場のETFを調べる方法は、コチラ ➡ Morningstarを使ってアメリカ市場のドル建てETF銘柄を調べる方法
もっともおすすめな米国の証券会社の紹介は、コチラ ➡ インタラクティブ・ブローカーズ
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