米国市場上場のETFは、海外分散投資を行うために低コストで、米ドル建てで、効率的に投資するためにもっとも有効な投資対象です。
米国市場の米ドル建てのETFは、
・米ドル建てで取引でき、資産価格と円為替レートを切り離して売買できる
・米国市場には多種多様のETFが上場され、ここから世界に投資できる
・ベンチマークに忠実に連動し、透明性が高くて選びやすい
・信託報酬など運用コストが安い
・リアルタイムで多彩な取引が可能
ETFのメリットを比較表で詳しく説明、コチラ ➡ ETFと投資信託と株式の比較
取引コストとして株式同様の売買手数料がかかりますが、インタラクティブ・ブローカーズやファーストレード証券など米国の証券会社を使うことで、手数料は安くなります。
とはいえ米国市場上場のETFは、ETNも含むと1,500銘柄以上あり、今なお増えています。
数多くある米国市場のETFの銘柄から、いったいどのように選べばよいのでしょうか?
目 次 1.海外分散投資に向いているETFとは? 2.資産カテゴリーとベンチマーク 3.米国ETFの銘柄をピックアップ 4.銘柄を選ぶ |
これだけの中から、実際に投資する対象のETFを決めるのはひと苦労です。
しかし長期運用を行うためには、あとあと困らないように、事前にしっかりした調査をしておくことが大事です。
海外分散投資に向いているETFとは?
ズバリ海外分散投資に向いているETFは、低コストと組み合わせです。
ETFにおけるコストは運用成績を悪化させるものであり、長期運用ではこのコスト差はばかになりません。
同じベンチマークに連動した幾つかのETFでもコストの違いはあります。その中でも低コストのETFを選ぶことが有利です。
詳しくは、Morningstarを使ってアメリカ市場のドル建てETF銘柄を調べる方法 を参照下さい。
ETFのコストには、大きくわけて売買手数料と信託報酬があります。売買手数料は、証券会社により異なります。米国証券会社であるインタラクティブ・ブローカーズを使うことで格安に取引できます。
資産カテゴリーとベンチマーク
ETFを選ぶ前に資産カテゴリーを決める必要があります。
資産カテゴリーとは、先進国株式、新興国株式、先進国債権、新興国債権、REITなどの資産の組み合わせです。
ETFはベンチマークである指数に連動しているので、ETFを選ぶということはベンチマークを選ぶことでもあります。
ベンチマークの例として、
先進国株式のMSCI World Index
新興国株式ののMSCI Emerging Markets Index
しかし、米国ETFは上場数も多く、ベンチマークとなる指標も数多く存在します。
唯一のベンチマークを選ぶということではなく、ベンチマークとコストをにらみ、銘柄を組み合わせることが重要です。
Morningstarを使って、銘柄を資産カテゴリー毎にならべピックアップします。
詳しくは、Morningstarを使ってアメリカ市場のドル建てETF銘柄を調べる方法 を参照下さい。
米国ETFの銘柄をピックアップ
実際に米国ETFの銘柄をピックアップします。Morningstarを使ってピックアップしました。
カテゴ リー |
ティッ カー |
名称 (ベンチマーク) |
信託 報酬 |
---|---|---|---|
全世界 株式 |
VT | Vanguard Total World Stock Index Fund ETF Shares (FTSE Global All Cap Index) |
0.14% |
ACWI | iShares MSCI ACWI (MSCI ACWI -All Country World Index-) |
0.33% | |
先進国 株式 |
URTH | iShares MSCI World (MSCI World Index) |
0.24% |
米国 株式 |
SPY | SPDR S&P 500 ETF (S&P 500) |
0.09% |
新興国 株式 |
VWO | Vanguard FTSE Emerging Markets ETF (FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index) |
0.15% |
EEM | iShares MSCI Emerging Markets (MSCI Emerging Markets Index) |
0.69% | |
先進国 債権 |
BND 米国 |
Vanguard Total Bond Market ETF (Spliced Barclays U.S. Aggregate Float Adjusted Index) |
0.06% |
BNDX 除く米国 |
Vanguard Total International Bond ETF (Barclays Global Aggregate ex-USD Float Adjusted RIC Capped Index Hedged) |
0.15% | |
新興国 債権 |
VWOB | Vanguard Emerging Markets Govt Bd ETF (Barclays USD Emerging Markets Government RIC Capped Index) |
0.34% |
EMB | iShares JPMorgan USD Emerg Markets Bond (J.P. Morgan EMBI Global Core Index) |
0.4% | |
ハイイールド債 | JNK 先進国 |
SPDR Barclays High Yield Bond ETF (Barclays High Yield Very Liquid Index) |
0.4% |
EMHY 新興国 |
iShares Emerging Markets High Yield Bond (Morningstar Emerging Markets High Yield Bond Index) |
0.5% | |
REIT | VNQ 米国 |
Vanguard REIT ETF (MSCI US REIT Index) |
0.12% |
VNQI 除く米国 |
Vanguard Global ex-U.S. Real Estate ETF (S&P Global ex U.S. Property Index) |
0.18% |
MSCIは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略です。MSCIの他にもS&P、FTSEなどのブランドがあり、類似の指数も多くあります。
銘柄を選ぶ
信託報酬が安い銘柄を選び、組み合わせると次のようになりました。
ETF選択の一例
カテゴ リー |
ティッ カー |
名称 (ベンチマーク) |
信託 報酬 |
---|---|---|---|
先進国株式 | SPY | SPDR S&P 500 ETF (S&P 500) |
0.09% |
新興国株式 | VWO | Vanguard FTSE Emerging Markets ETF (FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index) |
0.15% |
先進国債権 | BND | Vanguard Total Bond Market ETF (Spliced Barclays U.S. Aggregate Float Adjusted Index) |
0.06% |
新興国債権 | VWOB | Vanguard Emerging Markets Govt Bd ETF (Barclays USD Emerging Markets Government RIC Capped Index) |
0.34% |
REIT | VNQ | Vanguard REIT ETF (MSCI US REIT Index) |
0.12% |
先進国の中でも米国が半分以上のウェイトを占めます。上記の例では、先進国の資産カテゴリーとして米国の銘柄を選んでいます。
全世界株式は、先進国株式と新興国株式がどちらも含まれていますが、のちのちのポートフォリオ運用を考慮すると、先進国株と新興国株は分けておく方がよいでしょう。
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