ハイイールド債とは?
ハイは高い。イールドは利回り。つまり高い利回りの債券です。
なぜ利回りが高いかというと、格付けの低いジャンク債に投資するからです。ジャンクは、故障とか破損の意。
ジャンク債は、信用が低い発行体(企業など)が発行する債券です。信用が低いので、高い利息を払わなければ誰も買ってくれません。
信用が低い分、利回りが高くなります。
利回りが高いのは投資家にとって良いことですが、元本も変動するのでリスクがあります。
ハイイールド債を資産に組み入れるべきなんでしょうか?
目 次 1.ハイイールド債の種類 2.ハイイールド債に投資する方法 3.投資信託でハイイールド債に投資する 4.ドル建てETFでハイイールド債に投資する 5.ハイイールド債の注意点 |
ハイイールド債の種類
ハイイールド債は、発行体の格付けが低い債券です。
3大格付け会社の格付けでいうと、ムーディーズ(Moody’s)、スタンダード&プアーズ(S&P)、フィッチ(Fitch)のBBあるいはBa以下の発行体の債券です。
格付けの低い債券は、世界に数多くあります。国債や公債、社債がその対象になります。
ハイイールド債券への投資方法としてはおもに、
①個別に発行体の債券を買う
②ハイイールド債の投資信託を買う
③ハイイールド債のETFを買う
の方法があります。
ハイイールド債に投資する方法
ハイイールド債に投資する方法として幾つかありますが、次の2つに絞られます。
・国内の円建て投資信託をつかう
・米国市場のドル建てETFをつかう
結論からすると、米国市場のドル建てETFの方が投資しやすいです。
①個別に発行体のハイイールド債券を買う
これはちょっと難しいですね。
例えば、格付けの低いA社の社債を買ったり、格付けの低い国の国債を買うことになります。
個別銘柄は選ぶために、綿密な調査や分析をする必要があります。
対象がほぼ海外であるため、言葉が外国語、情報が少ないということから、サラリーマンの投資家が手を出すのはハードルが高いでしょう。
個別銘柄の場合は倒産やデフォルトのリスクを直接受けます。
そもそも国内の証券会社では、対象の銘柄の取扱いがほどんとありません。
②ハイイールド債の投資信託を買う
投資信託では、日本の証券口座から、海外のハイイールド債のファンドに円建てで簡単に投資することができます。
為替を分離することはできないので、売買の都度為替の影響を受けることになります。
③ハイイールド債のETFを買う
ETFでは、日本国内市場上場のETFと海外市場上場のETFに投資する2つの方法があります。
日本国内市場上場のETFは、円建てで取引するので為替を分離できず、売買の都度為替の影響を受けることになります。
日本国内市場上場のハイイールド債のETFは、2017年8月の時点で2銘柄と少ないです。
海外上場、なかでも米国市場上場のETFは、ドル建てで取引きでき、銘柄数も豊富です。
投資信託とETFの特徴と違いについては、コチラ ➡ ETFと投資信託・株式の比較
日本と米国の証券会社の特徴と違いについては、コチラ ➡ 日本と米国の証券会社比較
投資信託でハイイールド債に投資する
ハイイールド債の円建ての投資信託はたくさんあります。
モーニングスターのサイトで対象を調査します。
モーニングスターを使った投資信託の検索方法は、コチラ ➡ モーニングスターのサイトを使って円建て投資信託の銘柄を調べる方法
[詳細条件でファンドを検索]の
[国債債権型の国債債権・ハイイールド債(為替ヘッジ無) ]をクリックします。
現時点で265件の銘柄がヒットし、この中から選択することができます。
対象の発行体、アクティブとインデックス、さらには分配頻度(毎月、年1など)に加え、運用会社の違いがあり、選定が容易ではありません。
販売手数料が無料(ノーロード)は必須として、信託報酬も低い銘柄が望ましいです。アクティブファンドの信託報酬は、1.5%~3%超と高いです。
またアクティブファンドには、10%以上の高分配の毎月分配金の銘柄が多数あります。20%を超えるものも結構あります。
ハイイールド債の分配金はドル建てで5~6%程度なので、高分配の毎月分配型の投資信託では、特別分配金(元本払戻金)になっているケースがほとんどです。
このあたりを十分理解して、銘柄選定をすることが必要です。
毎月分配型の投資信託については、コチラを参考に ➡ 毎月分配型投資信託をどう使う?メリットとデメリットは?
モーニングスターで検索時に、[インデックスのみ]を選択しておくと、インデックスファンドが表示されます。
現時点では、3件の銘柄がヒットします。
ファンド名 | ベンチマーク | 運用 会社 |
信託 報酬 |
---|---|---|---|
野村インデックスF米国ハイイールド債権 | ブルームバーグ・バークレイズ米国ハイイールド社債高流動性インデックス(円) | 野村 | 0.86% |
i-mizuhoハイイールド債インデックス | マークイットiboxx米ドル建てリキッド・ハイイールド・キャップト指数(円) | ブラックロック | 0.93% |
ステートストリートUSハイイールド債権 | ブルームバーグ・バークレイズ・ハイイールド・ベリー・リキッド・インデックス(円) | ステート・S | 0.97% |
ステート・SのステートストリートUSハイイールド債権のみが分配金を5%程度出しています。
ドル建てETFでハイイールド債に投資する
米国市場のドル建てETFをつかうことで、フレキシブルなハイイールド債への投資をすることが可能になります。
信託報酬が安く、代表的なものをリストアップしました。
ティッカー | 対象 | 信託報酬 | 分配金利回り |
---|---|---|---|
JNK | ハイイールド社債 | 0.4% | 5.83% |
HYG | ハイイールド社債 | 0.49% | 5.03% |
EMHY | 新興国ハイイールド社債 | 0.5% | 6.15% |
IHY | Gハイイールド社債 | 0.44% | 1.13% |
ほかにも米国市場のハイイールド債は、新興国含め、現時点で33銘柄があります。
米国市場のETFの調査方法については、コチラ ➡ Morningstarを使ってアメリカ市場のドル建てETF銘柄を調べる方法
カテゴリーは、High Yield BondやEmerging Markets Bondです。
ハイイールド債の注意点
ハイイールド債は、高い分配利回りは魅力ですが、海外公社債や投資適格社債と比べてボラティリティが大きいです。
リーマンショックでは、株式同様に大きく値を崩しました。
このあたりの特徴をよく理解して、ポートフォリオに組み込むかの判断が必要です。
値が大きく下がると、逆に利回りは上がる傾向にあります。
リーマンショック後は、HYGでも分配金利回りが10%を超えています。
平均取得価格を低く抑えることが、値動きの大きなハイイールド債投資にも必要といえます。
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