日本の家計の金融資産は、欧米と比較して投資にまわらず、銀行預金が多いと言われます。
池上彰さんのテレビ番組「そうだったのか」シリーズでも、この理由が紹介されていました。
戦後、復興の資金を確保するため、長らく国をあげて貯蓄が推進されました。
全国の学校に「こども銀行」がおかれ、国から貯蓄を教育されてきたんです。
貯蓄を教育された子供が親になって、自分の子供にも貯蓄を教育し、現在に至ります。
しかし、日本の高度成長期は終わり、超少子高齢化で経済成長も止まった日本では様子が変わりました。
貯蓄を銀行預金のままにしておいてよいでしょうか?
欧米と比較した金融庁の統計データを見るとヒントがあります。
目 次 1.日本の家計の金融資産が増えていない事実 2.なぜ日本の家計の金融資産が増えていないのか? 3.いままでの延長線ではジリ貧になってしまう! |
日本の家計の金融資産が増えていない事実
次のグラフは、1995年以降の日本とアメリカ(米国)、イギリス(英国)の家計の金融資産の推移です。
日本の家計の金融資産が増えていません!
増加率がアメリカの半分以下です。
平成27年金融庁 金融レポートより
少し詳しく見ると、運用リターンの違いが大きく影響していることが分かります。
次のグラフは、資金流入のうちの運用リターンを表しています。
アメリカの家計の金融資産が大きく増えているのは、運用リターンが大きく増えているからです。
イギリスでも日本と比較して、運用リターンが大きいことがわかります。
アメリカの家計の金融資産の増加は、S&P500やダウ平均株価のアメリカの平均株価の動きによく似ています。
1999年頃~と2007年頃~は、アジア通貨危機やサブプライム問題、リーマンショックなどの株価暴落で一時的に資産が減少しますが、株価下落局面が過ぎてしばらくすると、高値を更新しています。
アメリカ株の成長が、家計の資産増加に寄与しているのでしょう。
なぜ日本の家計の金融資産が増えていないのか?
日本の資産が増えていないのには理由があります。
ひとつは、現金・預金の比率が高いことです。
次のデータは、日本、アメリカ、イギリスの家計の資産の内訳です。
株式・投信は、自身で直接的に株式や投信などを保有した資産運用です。
保険・年金は、保険や年金の形での間接的な資産運用になります。
日本の家計のもっとも大きい特徴は、現金・預金の比率が50%以上と圧倒的に高いことです。
そして、株式・投信の直接投資も、保険・年金の間接投資も少ないということです。
その結果、アメリカ、イギリスに大きく差をつけられています。
次のグラフは、日本とアメリカの所得の内訳の推移です。
アメリカは、投資の収益である財産所得が多く、それがどんどん増加しています。
また、勤労所得も増加しています。
日本は、財産所得が少ないばかりか、勤労所得も横ばいか減少しています。
給料が増えていないんです。
いままでの延長線ではジリ貧になってしまう!
経済成長が止まった日本で、これまで当たり前だったことをそのまま続けても、うまくいかないでしょう。
変わらなければジリ貧になってしまいます。
家計においても、いろいろ新しい取り組みを始めてみるのも良いんではないでしょうか。
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