経済と人口は非常に密接な関係があります。人口が増えれば労働者や納税者が増えるだけでなく、お客(需要)も増えます。またその生活レベルが上がればさらに需要が増え、経済が拡大します。
働き盛りの生産年齢人口の割合が高い国は、労働者が多く活気にわきます。しかし65歳以上の高齢化割合が高くなると、逆の状況になります。
これからの日本はどうでしょう?
雑誌やテレビで少子高齢化という文字や言葉がよく出てきますが、それだけでは実感がわきません。なんとなく想像するだけではなく、数値で見てみるとわかりやすいです。
日本の人口の推移
人口減少・少子高齢化という言葉を頻繁に耳にします。
具体的にどんなものかというと国(厚生労働省)が発表している次のグラフがわかりやすいです。
2014年は、
人口1億2708万人 65歳以上の人口3190万人 高齢化率25.1%
高齢化率とは、65歳以上が占める割合です。
約15年後の2030年の推計は、
人口 1億1662万人 65歳以上の人口3685万人 高齢化率31.6%
今後約15年で人口が8%減り、高齢化率が7%も増える急激な変化です。その後は更に人口減少と少子高齢化が進みます。
15年先というと遠い将来のように思えるかもしれませんが、そんな先のことではありません。すぐにやってきます。
約15年前の2000年~2014年は、人口が横ばいで、高齢化率だけ高くなる変化でしたが、今後は人口が減り、高齢化率も高くなるというダブルパンチです。
国の基盤である人口構成の急激な変化にもかかわらず、人口が急増していた高度経済成長から変わらない政策や制度が多く残り、あらゆる面で歪が生じています。
年金危機、財政危機、介護危機などはその代表例でしょう。
どれも簡単に解決できるものではありません。
平均寿命が80歳になる日本では、この影響を受けるのは40代以下の若い世代だけではありません。
50代や60代においても大きく影響を受けることになります。
それは年金支年齢の引き上げや年金支給額の減少、税金負担の上昇、保険料率の上昇など、すでに始まっている変化が加速してやってくることを意味しています。
世界の人口のようす
日本以外の主な国の人口についても、簡単に紹介します。
世界の人口は新興国を中心にどんどん増えており、アメリカは先進国であっても人口が著しく増加しています。
主な国の人口の状況は次の通りです。
順位:国別人口の順位
人口の推移:1992年の人口→2012年の人口(10年間の増加率)
中央年齢:その年齢から上の世代と下の世代の人口が同じになる中央値)
国連世界人口白書2012より
世界全体
人口の推移:54.95億人→70.52億人(28%増)
中央年齢:29歳
世界人口は大きく増加している。
1位 中国
人口の推移:11.99億人→13.54億人(13%増)
中央年齢:35歳
一人っ子政策にもかかわらず、中央年齢は意外と低い。
2030年より人口減少が予想されている。
2位 インド
人口の推移:9.04億人→12.58億人(39%増)
中央年齢:25歳
増えすぎ。どこまで増えるの。
3位 アメリカ
人口の推移:2.60億人→3.16億人(22%増)
中央年齢:37歳
先進国だが、人口は大きく増加している。
10位 日本
人口の推移:1.23億人→1.26億人(2%増)
中央年齢:45歳
人口が増えていない。
中央年齢が非常に高く、高齢化が一目瞭然。
イギリス
人口の推移:0.57億人→0.63億人(10%増)
中央年齢:40歳
世界の人口は大きく増加しており、経済的な成長が期待される。
日本は人口減少・少子高齢化が進み、経済的な減衰が予想される。
この構図は、今後を考えるうえでとても重要と思われます。
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