海外に分散投資するポートフォリオに、株式、債券の次に加えるとすると、まずREITが候補にあがるでしょう。
リート(Real Estate Investmant Trust)、日本では不動産投資信託とか言われていますが、不動産の賃料を収益の主な原資としています。
REITをポートフォリオに組み入れる方法や注意点は?
目 次 1.REIT(リート)に投資する方法 ・日本のREIT(J-REIT)に投資 ・海外のREITに投資 2.海外REITかJ-REITか? 3.円建てかドル建てか? 4.REIT投資の注意点 5.北朝鮮問題で地政学的リスクが再認識された!? |
REIT(リート)に投資する方法
日本のREIT(J-REIT)に投資
日本のリート(J-REIT)に投資する投資先としては、次のような金融商品があります。
日本市場に上場している不動産投資法人の株式
日本ビルファンド投資法人やジャパンリアルエステイト投資法人、ユナイテッド・アーバン投資法人など個別法人の株を買います。
それぞれの投資法人は、オフィス、住居、商業施設、物流施設などの用途や、関東、関西などの地域に、不動産のポートフォリオの特徴を出しています。
株でいうと、個別企業株へ投資するのと同じです。
定期的に、不動産賃料収益を原資とした分配金があります。分配金は3~7%ぐらいと比較的高い利回りです。
株価の値動きも大きく、キャピタルゲインとインカムゲインを得ることが出来ます。
収益の90%超を分配するので、大きな成長は期待できません。
日本市場に上場しているJ-REITのETF
日本市場にはJ-REITのETFも上場されています。
今日現在で、東証には7銘柄のJ-REITのETFが上場されています。
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信、MAXIS Jリート上場投信などです。
ベンチマークは、いずれも東証REIT指数でが、経費率に差があります。
J-REITの投資信託
証券口座では、J-REITの投資信託も多く販売されています。アクティブファンドもインデックスファンドもあります。
インデックスファンドでは、ニッセイJリートインデックスファンドやたわらノーロード国内リートなどです。
ベンチマークは、おもに東証REIT指数です。
投資法人株、ETF、投資信託ともに、投資先は同じJ-REITですが、株とETFと投資信託のそれぞれの特徴があります。
株とETFと投信の違いは、コチラ ➡ ETFと投資信託・株式の比較
海外のREITに投資
海外の市場に上場している海外REIT ETF
海外といっても国はいくつもありますが、世界最大の米国市場を通して、海外のREITに投資する場合をみてみます。
米国市場には、20銘柄以上のREIT及びREITを含む不動産銘柄が上場しています。
Vanguard REIT ETF (VNQ)、SPDR® Dow Jones REIT ETF (RWR)などです。
米国市場のETFの調査方法については、コチラ ➡ Morningstarを使ってアメリカ市場のドル建てETF銘柄を調べる方法
米国のREITには、これらの一般的なREITつまりEquity REITのほかに、Mortgage REITがあります。Mortgage REITは全く違う商品ですので注意。
日本国内の市場に上場している海外REIT ETF
日本市場でも海外REITのETF銘柄が上場されています。
米国リート、オーストラリアリート、アジアリートの3種4銘柄が上場しています。
銘柄が非常に少ないです。
海外REITは外国資産ですが円建ての取引になるので、REIT価格に為替が含まれた値での取引になります。
海外REITの投資信託
国内の証券口座でも、海外REITの投資信託が多く販売されています。アクティブファンドもインデックスファンドもあります。
インデックスファンドでは、たわらノーロード先進国リート、SMT 米国REITインデックス・オープンなどです。
国内ETFと同じく、海外REITは外国資産ですが円建ての取引になるので、REIT価格に為替が含まれた値での取引になります。
海外REITかJ-REITか?
海外REITといっても、世界のREIT市場の大半はアメリカ(65%)で、残りが日本(8%)、オーストラリア(7%)、イギリス、フランスなどです。
REIT市場は拡大しているので、REITをポートフォリオに組み込むのであれば、アメリカあるいはアメリカを含めた海外REITを第一候補にします。
日本のJ-REITは、日本人にとっては身近ですが、市場規模として小さいので、海外REITの補完の扱いになるでしょう。
日本人は、日本に住んでいるだけで日本への集中投資になります。
日本への資産の集中を分散させる目的では、まず海外REITを検討する必要があるでしょう。
日本は超地震大国でもあり、地震の影響を直接受けるREITも分散が基本でしょう。
円建てかドル建てか?
海外REITに投資する方法は、
・海外の市場に上場している海外REIT ETF・・・ドル建て
・日本国内の市場に上場している海外REIT ETF・・・円建て
・海外REITの投資信託・・・円建て
日本および日本円への集中リスクを避けるために、まずドル建てを検討すべきでしょう。
米国市場のドル建てETFに投資することで、ドル建てで、低コストで、世界のREITに投資することができます。
ドル建てETFに投資するには、
・海外証券口座を開設して取引する
・国内証券口座の外国株取引で行う
の2ケースがあります。
このサイトは、このへんのことを主に取り扱っています。
ただし、海外証券口座を開設するには、海外送金が必要となり、ある程度まとまった投資資金がないと利便性がよくありません。
日本と米国の証券会社の特徴と違いについては、コチラ ➡ 日本と米国の証券会社比較
円建てのETFや投資信託を使っても、海外REITへは十分に投資できます。
投資信託では自動積立ができるのが大きなメリットです。
積立方法について詳しくは、コチラ ➡ 低コストのインデックス投資信託を使った自動積立投資の方法
REIT投資の注意点
REIT価格は不動産市況や金利の影響を大きく受けます。サブプライム問題からリーマンショックの2007年~2008年には、VNQの値は約70%下落しました。
不動産市況は、株価指数とは値動きが違うので分散にはメリットがあり、高い分配金利回りも魅力的です。
とはいえ高い分配金利回りのみに目をとられると大きな損失につながるので注意が必要です。
REITの値動きは大きく、高値で購入すると、値下がりで大きな損失が出てしまいます。
平均取得単価を低く抑えることが利益獲得に効果を発揮します。
値が安くなり、利回りが高くなった時期に仕入れ(購入)ておくことが、リスクを低くし大きなリターンにつながります。
北朝鮮問題で地政学的リスクが再認識された!?
北朝鮮問題で、地政学的リスクが再認識されています。
地政学的リスクとは、特定地域がかかえる政治的や軍事的な緊張の高まりが経済の先行きを不透明にさせるリスクとあります。
日本のすぐ隣りに、核兵器を前面にだして、挑発をする国がいると地政学的リスクはおのずと高くなってしまいます。
先のことはわかりませんが、大きなリスクが存在していることは事実です。
海外投資を始めてしばらく経過しますが、当初地政学的リスクはあまり気に留めていませんでした。
財政危機の日本への集中投資が危険なので、通貨を外貨にして、証券口座も海外にして、投資対象も海外にして、リスクを分散するというのが海外投資の目的でした。
ところが、このところの北朝鮮問題で、日本への集中投資の危険性が、地政学的リスクの面でクローズアップされています。
結果的ですが、海外分散投資は、地政学的リスクにも効果は期待できると思います。
不透明な時代だからこそ、資産の分散は必要ですね。
REITだけを見ても、日本に集中させるのは、リスクも集中します。
さらにJ-REITの不動産のポートフォリオは首都圏に集中しています。
日本は超地震国ですし、J-REITに集中投資している場合は、地政学的リスクや地震リスクにも注意が必要です。
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