サラリーマンとして働き、60歳で退職金をもらい定年退職。
あとは年金をもらいながら悠々自適な老後生活。
でもこれは30年も前の話。
現在では、寿命は延びたが、年金は減る一方で、老後生活は苦しくなるばかり。
そこで退職金を株に投資して老後の生活費の足しにしたい!
そう思って株投資を始める人が多くいます。ところがそこには思わぬ落とし穴が・・・。
定年退職の退職金で株投資を始めてはいけない理由は?
目 次 1.定年退職の退職金で株投資を始めてはいけない理由 2.株投資は長期投資が基本 3.投資で上達するのには経験が必要 4.若いうちはリスク高め、老後はリスク低めが基本 5.インデックス・積立・分散・少額で投資経験を積む |
定年退職の退職金で株投資を始めてはいけない理由
結論からいって、3つの理由があります。
1つ目は、個別企業に投資する株投資は、初心者にはリスクが高い。
個別企業株への投資は、投資信託やETFに比べ集中投資になります。
個別企業株は成長するときは値を大きく上げますが、その反面、業績悪化、スキャンダル、倒産などのリスクを直接受けます。
そのため企業の目利きが重要になります。
財務諸表等より企業を調べあげ評価することは骨の折れる作業であり、高い能力を必要とします。
株と投資信託とETFの違いは、コチラ ➡ ETFと投資信託・株式の比較
2つ目は、高齢者は持ち時間が少ないからです。
持ち時間というのは投資する期間です。
高齢なので短くなってしまいます。
3つ目は、急にまとまったお金が手に入ると、すぐ大きな投資をしようとするからです。
この要因としては、
・投資する期間が短いから早く成果を出したい
・まとまったお金があるので早く投資したい
・会社勤めも長く経験し、なんとなく自信がある
などがあげられます。
人生経験が長く、会社勤めが長くても、投資については初心者です。
労働でお金を得ることと、資本を投じてお金を得ることは全く異なります。
サラリーマンは労働所得なので、労働した対価として給料を得ます。これは管理職であろうと役員であろうと同じです。
ただ労働の成果が悪かったからといって、個人の資産が減ることはありません。
一方投資家は、リスクをとって所有(投資)する対価として収益を得ます。働く時間は関係ありません。
不労所得にもなりますが、投資の成果が悪いと、個人の資産が減ります。
このように労働と投資は、根本がまったく異なります。
サラリーマン経験が長くても、投資経験は一から積まなければならないんです。
投資の失敗事例を知るとわかります、コチラ ➡ 投資の失敗事例から学ぶ
株投資は長期投資が基本
株投資に限らず資産運用は長期が基本です。
株は、インフレにもっとも強い資産で、長期的には世界経済の拡大ともに成長することが知られています。
しかし短期的には、景気変動や国際情勢など一時的な要因で株価は乱高下します。
リーマンショックのように平均株価が半値まで暴落することもあります。
でもリーマンショックのあと、NYダウ平均で約4年、日経平均で約6年で下落前の水準まで戻りました。
短期的にはリスクが高くても、長期投資によってリスクを小さくすることができます。
投資で上達するのには経験が必要
株を売買する作業は、初めての人でも証券口座を開設すればすぐにできます。
でも投資では継続的に資産を増やし続けなければなりません。
どのような投資にもリスクがあるので、リスクとリターンを測り、目的に合わせて投資資産を組合せなければなりません。
短期的な利益を求めると高いリスクを背負うことになり、結果取り返しのつかない損失を被ることになります。
辛抱強く冷静な判断で、自分自身をコントロールすることが求められます。
そのためには自分で経験して上達するほかありません。
老後はリスク低めが基本
投資は早く始めることが最も効果があります。
なぜなら時間がお金を育ててくれるからです。複利という武器を使って、時間軸を長くとって運用します。
年齢が若い人は、資金はないが時間があります。失敗しても取り返す時間があるので、リスクを高めにとることもできます。
株を多め、債券は少なめで、積極的にリスクをとるポートフォリオも可能です。
高齢の人はその逆になります。
高齢の人は、資金はあるが時間がありません。大きく失敗すると取り返す時間がなく、老後破産してしまいます。
そのため株を少なくし、債券多めで、インカムゲイン中心の低いリスクのポートフォリオを選択します。
定年退職後に、初心者が、退職金で、リスクの高い株投資を行うのは、止めた方がよいでしょう。
インデックス・積立・分散・少額で投資経験を積む
若い人であれ、高齢の人であれ、投資を始めるには、
インデックス・積立・分散・少額
というキーワードで、小さいリスクで経験値をアップすることが必要でしょう。
初心者でも出来る簡単な投資のはじめ方!4つのキーワードを実践して経験値アップ
徐々に慣れたら年齢や収入、資金もとに自身にあったリスクで運用しましょう。
退職金という大金が手元にあって、投資しなければもったいない、と思うかもしれませんが、準備ができる前に投資して失うほど愚かなことはありません。
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