毎月分配型投資信託をどう使う?メリットとデメリットは?

    

毎月分配型の投信はたいへん増えています。

投資信託のモーニングスターのサイトで調べてみると、 国際株式、国際債券、国内株式、国内債券、その他を全てあわせた銘柄数は、合計5,124銘柄(2016年5月現在)あります。

うち毎月分配型ファンドは1,551銘柄あり、これは全体の30%も占める数になります。

毎月分配型投資信託の銘柄が増えるのは、その商品が売れるからですが、売れるから投資家にとって良い商品ということはありません。

書店には多くの投資信託の本が並んでいますが、毎月分配型投資信託についての記述を見ると否定的な本がほとんどです。

毎月分配型が売れている理由として、毎月分配金が受け取れるので、高齢者を中心に年金代わりとして人気が出るようになったと言われています。

これから資産を拡大した現役世代にとって毎月分配型投資信託はどうなのでしょう?

目   次
1.毎月分配型投資信託の特徴
2.毎月分配型のメリットとデメリット
 ・毎月分配型分配金受け取りのメリット
 ・毎月分配型分配金受け取りのデメリット
3.毎月分配型投資信託の使い方

毎月分配型投資信託についてよく理解したうえで、自身のポートフォリオに加えるかどうかを決める必要があります。

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毎月分配型投資信託の特徴

毎月分配型の特徴は、その名の通り毎月決算して毎月分配金を出すという点です。

毎月分配型投資信託は、
・決算を毎月行い、その度に分配金を出す
・分配金は運用状況等によって金額が決められる
・分配金が保障されているものではない

投資信託を決算頻度別の割合でみると、
・1年ごと決算 36%
・毎月決算 30%
・半年ごと決算 24%
・3ヵ月ごと決算 8%

毎月分配型投資信託は、1年ごと決算の次に多くなっています。

毎月分配型投資信託に否定的な意見が多いのは、決算頻度が多いというより、その分配金の支払い方にあります。

毎月分配型の銘柄のうち、年7.5%以上の分配金利回りを出す銘柄は48%、年10%以上の銘柄は36%もあります。

高い利回りで知られるハイイールド債でも年6%程度、海外REITでも年4%程度の利回りですから、いかに毎月分配型の分配金利回りが高いことが分かります。

投資信託の分配金は、預貯金の利息とは異なり、信託資産の中から支払わるため、支払った分基準価格が下がります。

投資信託の分配金には、普通分配金と特別分配金の2つがあります。

普通分配金は、元本を上回る部分からの分配金で、課税対象です。

特別分配金(元本払戻金)は、元本を下回る部分からの分配金で、非課税です。

特別分配金(元本払戻金)はひらたく言うと、儲かっていないのに元本の一部を分配金として投資家に払い戻すことです。

元本を切り崩して払い戻すのでタコ配ともいわれます。タコが自分の足を食べて生きながらえるのに例えています。

この元本の払戻しの額が大きくなると、投資効率が低下してしまいます。

毎月分配型の投資信託には、元本払戻金を含んだ高い分配比率の銘柄が多く、分配金は多いですがその分基準価格が購入時より下がってしまうことがよくあります。

投資信託は、基準価格と分配金をあわせて評価しなければなりません。

では毎月分配型の投資信託は使えない投資対象でしょうか?

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毎月分配型のメリットとデメリット

毎月分配型投資信託のメリットとデメリットをよく理解するとその答えが見えてきます。

同じ投信会社の同じファンドであっても、1年決算型、毎月決算型の再投資、毎月決算型の分配金受け取りを選べるものもあります。

3つを比較してみると、1年決算型の投資信託は、分配金を抑え資産の成長をねらう商品が多く、つまり基準価格の上昇によるキャピタルゲイン目的の投資です。

一方、毎月決算型の分配金受け取りは、分配金を投資家に還元する、つまり分配金によるインカムゲイン目的の投資になります。

毎月決算型の再投資は、毎月の分配金を全て再投資するので、1年決算型に近いキャピタルゲイン目的の投資と言えます。

1年決算型や毎月決算型の再投資は、分配金を再投資しているので、原資産の価格が上昇すると利益は大きくなりますが、逆に原資産が下落すると損失も大きくなります。

毎月決算型の分配金受け取りは、毎月の分配金が現金として手元残るので、利益も損失も小さくなります。分配金が複利運用されないぶん投資効率が悪くなります。

その他に、毎月決算型は1年決算型に比べ事務経費が高くなることや税金のかかり方が変わるなどの違いあります。

毎月分配型分配金受け取りのメリット

・下落相場ではリスクを減らす効果がある
・分配金を別資産に振り分けて投資することができる
・分配金の支払い後も口数は変わらない

毎月分配型分配金受け取りのデメリット

・複利効果がなく投資効率が悪い
・経費が高くなる
・普通分配金に税金がかかる

毎月分配型投資信託の使い方

毎月分配型の分配金受け取りはメリットに比べデメリットが目立ってしまいます。やはり低コストのインデックス投信を使った投資スタイルに分があると言えるでしょう。

しかし毎月現金の分配金があるのは魅力の一つです。分配金で投資額を回収後は年金としても機能します。どうしても毎月分配型を使って投資したい場合は、次のことに注意してみてはいかがでしょう。

毎月分配型は、単一銘柄で見ると複利効果がなく投資効率が悪いという大きな欠点があります。

そのため他の銘柄と組み合わせることで、弱点である投資効率の低下を補うこともできます。毎月分配される分配金の向け先がポイントになります。

・原資産が高利回りの対象で、過去10年以上に渡って運用されている銘柄(リーマンショック以前から運用されリターンが出ている銘柄)
・長期保有をベースとして計画する(短期の売買には不向き)
・分配金合計(税引き後)が投資額を上回るまで分配金を消費しない
・分配金を別銘柄への再投資として計画する

分配金を消費していては複利の効果は全く期待できません。投資する際には各自判断下さい。

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